アニマシオンとスヌーズレン

  • 2013.08.28 Wednesday
  • 13:53

 アニマシオンという言葉を知っていますか。南欧にて使われている言葉で、スヌーズレンにもつながる考え方として私が注目しているものです。アニマシオンとは、魂・生命(アニマ)を活性化させること、イキイキワクワクさせることを意味し、遊びや余暇活動などを通した楽しみの専門性が追求されています。このアニマシオンは、教育や学ぶこと(エデュカシオン)とは対極的な概念ですが、学ぶことや働くことを根底から支えるものでもあるとも言われています。本来、学ぶことや働くことは楽しいことでしょうし、遊ぶときにはしっかり遊ぶからこそ、頑張って学び働くこともできる訳です。
 教育は、教諭によって行われますが、南欧では、アニマシオンを実践するための専門職(アニマトーレ)も国よって認められ、子どもたち放課後の活動や大人の社会活動などを支援するために活躍しているようです。つまり楽しむことが教育と肩を並べる存在なのだと思います。
 日本では、どうでしょうか? ただ楽しむだけのことが、教育と同等の価値あるものとして扱われているでしょうか。経済性や効率性などが重視されている現在の日本において、残念ながら「楽しむこと」の価値に重きが置かれている訳ではありません。療育や福祉の領域においても、「根拠のある治療・実践」などを追求することばかりに目を奪われいるようにも思えます。
 私は、療育や福祉サービスにおいて、エデュカシオン・治療とアニマシオンのバランスがとても重要であると考えています。そして、これまで追求されてきたエデュカシオンや治療のみらなず、これからの時代は、アニマシオンを追求することがバランスを保つ上で大切だと考えていますし、その価値を多くの人々が認識し、「楽しむこと」を本気で追求する専門性の構築の必要性を強く感じています。
 20年前、スヌーズレンと出会ったときの衝撃は、今も忘れることができません。当時、重症心身障害児・者施設に勤務し、感覚を使った治療的活動に取り組んでいた私に、そうではない感覚活動の可能性、つまり感覚に関する専門的技術を背景としながらも非指導的な関係性を深めることができる楽しみの場としての可能性を、スヌーズレンは私に気づかせてくれました。今、思えば、それはアニマシンとしてのスヌーズレン先駆性を感じていたのかもしれません。
 アニマシオンという概念は、まさに私が大切にしているスヌーズレンの一側面であるように思いますし、アニマシオンとしてのスヌーズレンという考え方は、今、私のなかでまだしっくりいかないスヌーズレンの理念を整理するときに非常に有用であるように感じています。 

 皆さん、一緒に、アニマトーレとしての道を究めてみませんか。

(日本スヌーズレン協会機関誌 スヌーズレンジャパン36号 2013年)

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