客観科学は、人の心をつかむことはできない

  • 2016.08.28 Sunday
  • 13:55

 鯨岡峻先生(京都大学名誉教授)の御講演のなかで、一番、心に残った言葉です。そして現場で生じている事実を捉える視点を、改めて認識することができました。
 鯨岡先生が提唱されている「接面パラダイム」は、スヌーズレン実践・研究において重要な枠組みであると考えています。しかしながら日本の医療・教育・福祉領域では、まだ客観科学によって得られたものこそがエビデンスであるという従来の客観科学パラダイムから脱却できずにいます。スヌーズレンで生じていることの断片は、いわゆる客観科学のパラダイムに基づいて実証することは可能で、感覚刺激が人間に及ぼす影響に関する多くの示唆は1900年代にすでに感覚統合理論などの他の研究領域において得られています。ゆえにこれからのスヌーズレン研究は、さらに次の次元に進め、断片的でなく、より包括的に進めていく必要があります。しかし従来の客観科学パラダイムでは、スヌーズレンという現象を真正面から捉えるには、あまりにも不十分であると考えています。私が大学院生の時、トーマス・クーンの「科学革命の構造」について学ぶ機会を得ました。その時代の主流である科学パラダイムによって説明できないことが生じたとき、次のパラダイムが生じる、、私は、スヌーズレン研究が、現在の主流である客観科学というパラダイムを次世代の科学パラダイムへ移行させている一つの領域であると考えてます。そしてのそのパラダイムの一つは、「接面パラダイム」なのではないかと考えています。
 次の時代を創る研究・実践パラダイムを見出し、現場実践・当事者の思いや実感を尊重することができるスヌーズレン研究にチャレンジしてみませんか!(日本スヌーズレン協会機関誌 スヌーズレンジャパン46号 2016年)

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